感動のストーリー、探していませんか?
面白い漫画を読んだ時とか、感動する映画をみた時なんかに、
「あー!いま充実してるなー」って思うあの感じ。
その感じが欲しくて、新しいなにか、新しいなにか、と探し続けてしまうことはないですか?
それは人に共感する力であるし、現実ではない仮想現実の中にリアリティを持てる力でもあって、とても良いことだと思う。
嬉しさであれ、悲しみであれ、怒りであれ、寂しさでもいいけど、人はとにかく、感情を揺さぶられるとひきこまれるという性質があるようだ。
あとは、ギャンブル性のあるもの。絶対の未来ではなくて、ドキドキしながら見る未来。
絶対王者が順当に勝ち進んで優勝を勝ち取るストーリーに魅力はない。
ドジでダメな主人公が、秘めたる才能を見いだされ、努力の末に開花したかに見えたけれど、強敵に敗れ、挫折を味わう。やさぐれて拗ねていた主人公を偶然会った恩師がみて、ヒントを与え、もう一度歩き始めて、強敵を倒す。
意外性と、落胆と、応援と、達成感と、高揚と。
そのストーリーに身を投じていれば、自分は1mmも動くことなく、その気持ちだけ味わうことができる。
明日、頑張ろうかな、と思ったりする。
なんども言うけれど、それは全く良いことだと思う。
でも!
事実にも目を背けてはいけなくて、
その時、
現実世界の自分は1mmも動いていない!
そして、動かないまま、次のストーリーを探し出して、消費する。
クリエーターがそれをしてしまっては、もはや消費者でしかなくなってしまう。
世界の娯楽を食べ尽くすほどの財産があって、自分はなにも生み出したいとも思っていないならそれも良いかもしれないけれど、
明日生きるためにご飯を食べなきゃいけないし、
良いものを生み出す充実感も味わいたいなら、
自分で手を動かすことから始めることだ。